商品詳細

ささやきの木・小枝のささやき 〜シュタイナー学園で生まれた木の楽器〜 

販売価格: 3,000円(税込)

商品詳細

シュタイナー学園の授業の中から生まれた素朴な木の楽器です。
完成されたものと、自分で木の皮を削って磨いて作るキットがあります。
小枝のささやき は主に低学年、特に1、2年生対象対象  ささやきの木は3、4年生以上対象です。

キット内容 作り方説明書 持ち手用の木 吊るし木7本 たこ糸 紙やすり
   その他 ハサミと木工用ナイフまたはグリップのしっかりしたカッターナイフをご用意ください。
 



ささやきの木
小枝のささやき

〜楽器が生まれるまで〜


 この素朴な木の楽器は、シュタイナー学園音楽教師の古賀美春先生が、かねてより製作されたいと願っていらした木の楽器のイメージを元に、試作から何度も手を加えて製作し、成長してきた楽器たちです。

 シュタイナー学園で行われる音楽の授業では、1年生から様々な楽器に触れます。中でも「響きの楽器」と呼ばれる銅や鉄を用いて作られた楽器は、音楽の授業において、子どもたちが「聴く」ことを学ぶ、とても大切なものの一つです。「響きの楽器」にはミニシンバル・ゴング・ベッケン・シュタールなどがあります。子どもたちの頭部・胸部・四肢に、それぞれの楽器から引き出される響きが働きかけます。それらの響きの中で、子どもたちは全人的に「聴く」ことを学んでいくのです。それらの「響きの楽器」は私たちに「宇宙的な何か」を思い起こさせてくれます。

その「響きの楽器」と共に授業で使われるのが、木の楽器たちです。木の楽器たちは、「響きの楽器」ほど「響き」を多く含んではいませんが、木々たちが触れ合って奏でられる素朴な音たちは、私たちに、地球に住む生き物たちや、存在してくれるやさしいものたちへ想いを馳せることを促してくれます。「響きの楽器」が「宇宙的な何か」を思い起こさせてくれるものであるならば、これらの木の楽器たちは、私たちに「地球的な何か」を思い起こさせてくれるものなのです。

「小枝のささやき」は主に低学年、特に1・2年生の授業で使用されます。小さな子どもたちは、まだ世界と一つです。そしてそんな子どもたちはいつも「動き」とともに在ります。小さな子どもたちが「小枝のささやき」を手にして動くとき、音楽が始まり、そして立ち止まるとき、音楽が静かに終わるのです。動きのあるところに音楽が生まれる、「原始」の体験がここにあります。そしてそのとき、子どもたちは自分自身が楽器になるということを体験しているのです。「小枝のささやき」は、そんな体験を子どもたちに与えてあげたいという想いの中で生まれました。

「ささやきの木」は3・4年生以上の子どもたちの授業で使用されます。楽器を手にして、もう一方の手で木に触れて音を奏でるので、「小枝のささやき」よりも少し「意図」が必要になります。「意図」と書きましたが、4年生以降に導入される、私たちにとって馴染みのある一般的な楽器を演奏するよりももっと自由な「意図」です。決まった音階やメロディーを奏でるのではなく、もっと自由に豊かに表現できる「ささやきの木」の演奏は、まるで偶然現れ出る音の様かもしれませんが、そこには、素晴らしい楽器の演奏を行ったり、聴いたりする体験と同じくらいの、深い音楽体験が存在します。まだ、楽器の導入が始まらない低学年の子どもたちに、この深い音楽体験を与えてあげたいという想いの中で「ささやきの木」は生まれました。そして、一般的な楽器の導入が行われた4年生以上の子どもたちの授業でも、自由な表現を目的としてこの「ささやきの木」を使用しています。

今、これらの楽器の製作は、障がいを持つ方たちと共に行っています。障がいを持つ方たちにとって、自らの手足と道具と自助具を使って、木々に手入れを行う行為は、自らを世界と結び付ける、とても意味のある「しごと」です。これらの楽器に使われる、私たちの身近にある、カエデやサクラやナラなどの木々たちに深くかかわることは、これらの様々な木々たちの特性や素性を「しごと」を通して深く知っていく作業であり、その深い関わりは、障がいを持つ方たちが死の門をくぐった後に得られる、内面世界の豊かさに繋がるものだとシュタイナーは言いました。障がいを持つ方たちも、これらの木々たちの名前を言えるようにならなければならないと、シュタイナーは語っています。それを「しごと」として準備し、彼らの手足を使って深くかかわることができるよう、私たちは彼らと共に働いていきたいと願っています。

これらの木の楽器「ささやきの木」「小枝のささやき」を製作する中で、沢山の方たちに手に取ってもらって、音を奏でてもらい、楽器を通して体験される感覚を表現してもらいました。汲み取ったそれらを試作の中に表現しながら、その繰り返しの中で、この楽器たちは、なろうとする姿に近づいていったような気がします。この楽器たちが生まれるまで、沢山の人たちの想いや衝動が、この楽器を導いてきてくれました。そして、これらの楽器たちは未だ成長しつつあるものです。これから、これらの楽器を手にしてくださった方たちから受け取る、様々な体験が、この楽器を成長させていってくれるものになると思っています。

これらの楽器が沢山の子どもたちの元に届き、温かな音と喜びに満ちた時間を手渡すことができますように。

工房 ひびきの家
吉澤依里

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